昭和50年代の男子小学生にとって、ステータスシンボルの頂点に君臨していたのがマグネット式の多機能筆箱です。当時、サンスター文具やクツワなどが競い合うように開発したこの筆箱は、まさに「机の上の要塞」でした。表面と裏面の両開き構造はもちろん、ワンプッシュで飛び出す鉛筆削り、ボタン操作でポップアップするハサミや虫眼鏡、さらには温度計や時間割表ポケットまで内蔵され、最大8ドアや10ドアといった過剰なまでの多機能化競争が繰り広げられました。
一方、耐久性を極限までアピールして一世を風靡したのが、1965年の誕生から昭和の教室を席巻したサンスター文具の「アーム筆入」です。「象がふんでもこわれない」というインパクト絶大なテレビCMは、当時の小学生に強烈な刷り込みを残しました。ポリカーボネート樹脂という新素材を採用したアーム筆入は、怪獣映画やプロレスブームに熱狂していた当時の子どもたちの心を鷲掴みにし、実際に机から落としたり踏みつけたりして強度を試す男子が後を絶ちませんでした。