日本の映画界において、女優が全身全霊で挑むラブシーンは、作品の成否を分ける極めて重要なファクターとなってきました。日本映画の濡れ場名シーンとして今なお語り継がれる作品群には、演者の覚悟と鬼気迫る表現力が刻み込まれています。
代表的な例として挙げられるのが、当時19歳だった吉高由里子が主演を務めた映画『蛇にピアス』(2008年・蜷川幸雄監督)です。身体改造と刹那的な愛に溺れる主人公・ルイを演じた彼女は、激しい濡れ場や緊縛シーンに臆することなく挑み、第32回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。清純派のイメージを完全に覆し、唯一無二の実力派女優としてのポジションを決定づけました。
また、二階堂ふみと浅野忠信が禁断の愛を演じた『私の男』(2014年・熊切和嘉監督)では、極寒のオホーツク海を背景に繰り広げられる濃密な濡れ場がモスクワ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。満島ひかりが鮮烈な存在感を放った『愛のむきだし』(2009年・園子温監督)や、宮沢りえが横領に手を染める銀行員を演じきった『紙の月』(2014年・吉田大八監督)など、女優濡れ場映画の傑作として国内外で絶賛されたタイトルは枚挙にいとまがありません。