「G&G(ゴルデーワ&グリンコフ)」という愛称は、ペアフィギュアスケートの代名詞だった。
ふたりが氷上に足を踏み入れた瞬間、会場の空気が変わる。1988年カルガリー五輪で魅せた息をのむような4回転ツイストリフト、そして1994年リレハンメル五輪で見せた成熟した芸術性。ふたりの滑りは、技術的な難易度を誇示するものではなく、呼吸すら一致させたひとつの有機体のようだった。特にリレハンメルで見せたフリープログラム『月光』は、スポーツの枠を超えた純粋な芸術として今も語り継がれている。
当時、ソ連(後のロシア)の代表として圧倒的な強さを誇ったふたりだが、その強さの根底にあったのは互いへの絶対的な信頼とリスペクトだった。