子供の心を掴む視覚演出の好例として、NHK Eテレで長年愛されている教育番組『さんすう刑事ゼロ』の番組作りが挙げられる。事件現場に残された謎を算数の力で解き明かしていくストーリー展開は、多くの小学生を魅了してやまない。
この番組が成功している理由は、算数を「単なる計算の繰り返し」ではなく「謎解きのツール」として提示している点にある。教材制作においても、この演出思考は大いに参考になる。たとえば単に「長方形の面積を求めなさい」と書くのではなく、怪盗の挑戦状風に飾られたイラストと組み合わせたり、探偵の虫眼鏡モチーフを配したりするだけで、プリントは一瞬にして謎解きゲームへと変貌する。かわいいイラストは、子どもを物語の主人公へと引き込む仕掛けとしても威力を発揮するのだ。