ビジネスマン専用の高級ツールだった携帯電話が、一般市民や若者へと裾野を広げた最大のターニングポイントは1994年の端末買い取り制の解禁です。これにより20万円の保証金が撤廃され、家電量販店で手軽に端末が購入できるようになりました。
では、携帯電話の普及率はいつから本格的に上昇したのかというと、1995年から1996年にかけての時期です。1994年時点で数パーセントに過ぎなかった世帯普及率は、PHSの登場による低価格競争や、各メーカーの技術革新によって1996年には一気に20%を超え、2000年代初頭には国民の過半数が所持する社会現象へと発展しました。
このガラケー黎明期を彩った名機種として外せないのが、NEC製の「N」、パナソニック製の「P」、三菱電機製の「D」、富士通製の「F」といったドコモのmovaシリーズです。特にNシリーズが開拓した「折りたたみ型スタイル」や、大型液晶の搭載、着信メロディの自作機能などは、日本独自の進化を遂げた「ガラパゴスケータイ(ガラケー)」カルチャーの礎となりました。