メディアへの過度な出演を控えつつも、雪村いづみは決して表舞台から退いたわけではない。記念すべきステージや特別番組など、節目となる機会には圧倒的な存在感でステージに立ち、聴衆を魅了し続けている。マイクを握った瞬間に溢れ出る声量と豊かなビブラートは、とても80代後半とは思えない迫力だ。
長年身を置いてきた芸能界について、彼女はこう語る。「歌うことは生きることそのもの。時代が変わっても、人の心に響く歌の力は変わりません」。華やかなエンターテインメントの第一線で戦い抜いてきた人間だけが持つ言葉の重み。秘話として明かされるかつての苦労や舞台裏のエピソードは、今なお後輩アーティストたちに多大な刺激と感動を与えている。