SNSやネット掲示板で長年囁かれている最大の不安要素が、「つむじが2個あると将来ハゲる」「AGA(男性型脱毛症)のリスクが高い」という説です。皮膚科医および毛髪医療の専門見解では、つむじの個数と将来の薄毛リスクに直接的な因果関係は一切ありません。
薄毛やAGAの主因は、毛包に存在する5αリダクターゼという還元酵素と男性ホルモン(テストステロン)が結合して生成される「ジヒドロテストステロン(DHT)」によるヘアサイクルの乱れ、ならびに遺伝受容体の感度です。つむじが1つであろうと2つであろうと、このホルモンレセプターの働きには一切影響を与えません。
それにもかかわらず「ハゲて見える」と誤解される背景には、以下の物理的な理由が存在します。
- 毛流れの反発による地肌の露出:2つのつむじが近接していると、それぞれの渦から髪が逆方向に引っ張られるため、境目の頭皮が地肌の隙間として露出する。
- 光の反射(ハレーション):頭頂部に2つの起点があることで毛髪の密度がまばらに見え、上からの照明で頭皮が白く光りやすい。
本物のAGAによる薄毛と「つむじ2つによる割れ目」を見分けるポイントは明確です。割れている部分から生えている髪の毛の太さとハリを確認してください。産毛のように細く短い毛が増えていない限り、単なる毛流れによる頭皮の露出であり、脱毛症の兆候ではありません。