かすうどんの発祥の地は、大阪府南東部に位置する南河内エリア(主に羽曳野市や藤井寺市、松原市周辺)です。この地域は古くから食肉加工業や屠畜場が栄えており、新鮮な牛の内臓肉が日常的に手に入る環境にありました。
昭和の高度経済成長期以前、食肉処理の過程で残るホルモンを無駄なく使い切るための生活の知恵として「油かす」作りが定着しました。保存食として重宝された油かすを、日常食であるうどんやお好み焼き、焼きそばに刻んで入れたのが「かすうどん」の始まりです。地元では家庭料理や町のお好み焼き屋の隠し味として親しまれ、長らく南河内ローカルの味にとどまっていました。
加寿屋(KASUYA)の創業と大阪全域へのブレイクスルー
このローカルフードを一気に表舞台へと押し上げた立役者が、1995年に藤井寺市で創業した「加寿屋(KASUYA)」です。創業者の熱意によって「かすうどん」と命名されてブランド化され、門外不出だった本場の味覚がロードサイド店舗やフランチャイズ展開を通じて大阪市内へ進出しました。
現在では加寿屋(KASUYA)の大阪店舗網をはじめ、数多くの専門店や居酒屋がオリジナルの出汁とかすを使ったメニューを提供しており、大阪の食文化を語る上で欠かせない一大ジャンルへと成長を遂げています。