冨樫義博というクリエイターの恐ろしさは、異形と人間の血なまぐさい生存競争の中に、あまりにも純粋な愛を描き出した点にある。『HUNTER×HUNTER』は少年漫画の限界を押し広げ、善悪の境界線を曖昧にするダーク・ファンタジーの傑作として定着した。
軍儀という架空の盤上ゲームは、単なる勝敗の競い合いを超え、メルエムとコムギの精神的な会話の場として機能していた。言葉による説得でもなく、物理的な力でもない。互いの知性と生命を賭した一手が、人間を「喰らう側」と「喰われる側」という絶対的な捕食関係を崩壊させたのだ。