このムーブメントが持つ最大の強みは、あらゆる参入障壁を破壊した点にある。
ダンス経験の有無、年齢、体型、運動神経。これまで「ダンス動画」の投稿やストリートカルチャーへの参加を躊躇させていたハードルが、一瞬にして蒸発した。小さな子供から高齢者まで、ただカメラの前で左右に体重を移動させるだけでコンテンツとして成立する。間違えるという概念すらない。失敗が存在しない表現世界だからこそ、かつてない規模の包摂性が生まれた。「下手でもいい」「上手く見せる必要すらない」という究極のアマチュアリズムが、SNS上の重苦しい比較文化に対する鮮烈なアンチテーゼとして機能している。