鬼となって数百年、己の人間時代の名前も愛した記憶も全て忘却していた猗窩座だが、その戦闘スタイルには狛治時代の影が色濃く残っていた。武器を使わず素手で戦う姿勢、雪の結晶を模した血鬼術「破壊殺」の陣、そして女性を絶対に喰わないという一線。これらはすべて、恋雪への無意識の愛と誓いの表れだった。
物語の佳境、無限城での竈門炭治郎および冨岡義勇との死闘において、猗窩座は首を斬り落とされながらも「強さへの執着」のみで頭部を再生させる領域へと覚醒する。しかし、土壇場で呼び起こされた恋雪の幻影と「もういいのよ」という言葉によって、己の拳が向けるべきは弱者ではなく、暴走した自分自身であったと思い出す。自らに破壊殺の技を放ち、愛する人の元へ帰ることを選んだ決断は、全ファンを涙させた。