魔理沙のビジュアルを語る上で欠かせないのが、原作者・ZUN氏によって描かれてきた東方Project公式イラストの系譜です。四半世紀以上の歴史の中で、彼女の装いは作品ごとに細やかなアップデートが重ねられてきました。
最初の転換点は、1997年のPC-98版『東方封魔録』からWindows版第6弾『東方紅魔郷』(2002年)への移行期です。PC-98時代は赤紫色の髪と瞳、白い帽子に赤いリボンというカラーリングでしたが、Windows版で現在定着している「金髪・琥珀色の瞳・黒帽子・白エプロン」へと完全刷新されました。この大胆なリニューアルによって、西洋の正統派ウィッチスタイルと和風ファンタジーの融合が決定づけられました。
その後も、魔理沙歴代衣装デザインはナンバリングタイトルごとに変化を遂げています。『東方妖々夢』では春の雪景色に合わせた厚手の長袖ベスト、『東方永夜抄』では動きやすさを重視した軽快なスタイル、そして黄昏フロンティア制作の格闘ゲームシリーズでは、立ち絵を担当する作家ごとにフリルのボリュームやベルトの金具といった細部が再解釈されてきました。こうした公式による定期的なデザインの揺らぎが、二次創作者たちに「どの時代の魔理沙を自分の絵柄に落とし込むか」という豊かな選択肢を提供し続けています。