イタドリを美味しく食べるための最初の分岐点は、採取のタイミングと茎の選別にあります。春先のわずかな期間にのみ収穫できる若芽は、みずみずしさと柔らかさを兼ね備えた貴重な天然資源です。
採取に適したイタドリの旬の時期は、平地で4月上旬から4月下旬、標高の高い山間部や寒冷地では5月中旬頃までが目安となります。地面からタケノコのように伸びた高さ20〜30cm程度、太さが親指から500円玉ほど(直径1.5〜2.5cm)の若芽がベストです。茎の先端を手で曲げた際に「ポキッ」と心地よい破砕音とともに折れるものが最も繊維が柔らかく、極上の食感を生み出します。成長して背丈が高くなり、葉が大きく開いて木質化したものは筋が硬く食用には向きません。
収穫直後に行うべき最重要作業が「皮むき」です。時間が経過すると水分が抜けて皮が密着し、極めて剥きにくくなります。現地取材で山菜採りの達人たちが実践するイタドリの皮のむき方のコツは以下の通りです。
採取後できるだけ早く、節(フシ)の凹凸が少ない中間部分から爪を立て、バナナの皮を剥くように縦方向へ一気に引き下ろします。茎の根元から先端に向けて引くのではなく、太い側から細い側へ滑らせるように剥ぐと、薄皮を残さず綺麗に除去できます。皮が硬くて滑る場合は、まな板の上で軽く全体を手のひらで転がして繊維をほぐす(板ずり状にする)と、驚くほどスルリと剥がれます。