インターネット上の育児掲示板やSNSコミュニティを調査すると、制度の細かな仕様を知らなかったことによる後悔の声が数多く見受けられます。
「産後は寝不足と慣れない育児で領収書の整理どころではなく、妊婦健診の領収書をどこにしまい込んだか分からなくなった」(30代・初産女性の手記)
「陣痛タクシーを呼んだものの、パニックで領収書をもらい忘れ、降車履歴も残っていなかったため数千円の経費を計上できなかった」(20代・経産婦の投稿)
こうした生の体験談から浮き彫りになるのは、産前産後の過酷な身体状況下で確定申告の準備を進めることの非現実性です。特に妊婦健診で利用したSuicaなどの交通系ICカードの履歴は、一定期間が経過すると駅の券売機で印字できなくなります。妊娠初期から母子手帳ケースに通院メモやレシートを挟み込む習慣を徹底しておくことが、確実な控除への第一歩となります。
また、「里帰り出産にかかった新幹線代も医療費控除に入れて申告書を提出したら、後日税務署からお尋ねの電話があり、修正申告を求められて追加の本税を納める羽目になった」という苦い告白も目立ちます。里帰り先での医療機関受診にかかる移動費は対象になりますが、東京から地方実家への移動費そのものは「個人の選択による生活上の移動」と判断されるため、絶対に計上してはなりません。