本作の大きな魅力の一つは、アリスが象徴する「洗練された東京のハイエンドな街並み」と、太郎が象徴する「昭和の温もりを残す下町」の鮮烈なコントラストにありました。
アリスが住む大豪邸のロケーションには、都内近郊の歴史ある高級洋館や重厚な迎賓施設、さらには銀座や六本木のハイブランド旗艦店周辺が選ばれました。映像内では徹底してハイコントラストでゴージャスな色調設計が施され、視聴者に「手の届かない別世界」を強く印象づけました。
それとは対照的に、太郎たちが暮らしていた「ひまわり荘」の周辺や子どもたちと駆け抜けた河川敷は、荒川や隅田川沿い、足立区周辺の下町エリアがメインの舞台となりました。夕暮れ時の土手や人情味あふれる商店街の風景は、CG全盛となった現代のドラマにはない素朴な実在感を醸し出しています。
撮影現場のスタッフやエキストラの証言によると、冬場の吹きさらしの河川敷で行われたロケでも、上地雄輔が待ち時間に子役たちと本気で鬼ごっこをして場を和ませていたといいます。そうした現場のリアルな体温が、画面越しに「本物の家族のような空気感」として滲み出ていたことは間違いありません。