殺菌剤防除において最も警戒すべきは、病原菌が薬剤に対する耐性を獲得し、防除体系そのものが破綻することです。アゾキシストロビンが属するFRACコード「11」(QoI殺菌剤)は、標的部位が単一であるため、連用によって耐性菌が極めて発生しやすいグループ(中〜高リスク)に分類されています。
耐性菌を防ぐローテーション防除の具体策
- 同一作期での連続散布は最大2回まで:アミスターを散布した後は、必ず異なる作用機構の薬剤を挟む。
- 異なるFRACコードの薬剤を組み合わせる:
- SDHI系(FRAC 7:シグナム、カンタス等)
- DMI/EBI系(FRAC 3:ラリー、サルバトーレ等)
- 多作用点接触型(FRAC M系:ダコニール1000、サンボルドー等の無機・有機銅や有機硫黄剤)
【適正判定】導入をおすすめできる人・慎重になるべき人の条件
導入を強くおすすめできる人:
- 複数の病害(うどんこ病・べと病・炭疽病など)を1剤で効率よく同時予防したいプロ農家
- 収穫前日数が短く、出荷直前まで使える高機能殺菌剤を求めている施設園芸生産者
- ベントグラスや高麗芝の美観をブラウンパッチから死守したい緑地管理者
使用に慎重になるべき人・向いていない人:
- 敷地内やりんご園のすぐ隣で防除を行う環境(ドリフト薬害の危険性)
- 1つの薬剤を年間を通じて何度も使い回す傾向がある家庭菜園初心者(耐性菌化の促進リスク)
- すでに激しく発病が進行し、治療効果(菌糸の完全死滅)だけを期待しているケース