最愛の娘である木村花さんを突然失った母・木村響子氏の胸中は、測り知れない悲痛に満ちていた。元プロレスラーでもある響子氏は、深い絶望の淵に突き落とされながらも、悲しみにただ沈むことを拒んだ。娘の死を無駄にしないため、そして二度と自分たちのような被害者を生み出さないために、彼女は毅然として声を上げ始めた。
花さんが所属していた女子プロレス団体「スターダム」のリングで見せていた躍動感あふれる笑顔、そして人一倍繊細だった素顔。響子氏は、過激な誹謗中傷を行った匿名アカウントの特定に向けた法的措置を次々と断行した。裁判を通じて悪質な投稿者の責任を追求する道のりは、精神的にも金銭的にも過酷を極めたが、遺族の悲痛な訴えは停滞していた社会の認識を大きく動かす原動力となっていく。