1979年、三淵嘉子さんは横浜家庭裁判所長を最後に裁判官を定年退官。退官後は弁護士として活動を再開したほか、労働省の婦人少年問題審議会会長などを歴任し、女性の権利向上と少年非行防止のために全国を飛び回りました。
しかし、精力的な活動のさなか病魔が彼女を襲います。死因は骨肉腫(悪性腫瘍)でした。闘病生活の中でも弱音を吐かず、見舞いに訪れた法曹仲間や後輩たちに対しても常に笑顔で励まし続けたといいます。そして1984年5月28日、69歳でその激動に満ちた生涯を閉じました。
『虎に翼』の最終回では、寅子が遺した思いが次の世代へと受け継がれ、希望に満ちたラストシーンが描かれました。実在の三淵嘉子さんが生涯を通して訴え続けた「法は人を縛るものではなく、人を幸せにするためにある」という信念は、まさにドラマの結末と完璧に呼応し、現代社会を生きる私たちへ今もなお力強いメッセージとして響き続けています。