インターネット上で「大森駅は治安が悪い」と囁かれる最大の要因は、駅の東西で街の性格が180度異なるという「二面性」にあります。大森駅を降りて東側(品川区南大井・大田区大森北方面)に進むと、昔ながらの飲食店街、パチンコ店、居酒屋、スナックがひしめく歓楽エリアが広がっています。夜間になると客引きや酔客の姿も見受けられるため、この一角の風景がネット上で過剰に拡散され、駅全体のイメージとして定着してしまったのが実情です。
警視庁が公開する犯罪情報マップの最新データを精査すると、その偏りが明確に浮かび上がります。粗暴犯や街頭犯罪の発生件数は、東口駅前の商業密集地帯である「大森北1丁目」周辺に集中している一方、西口側の「大田区山王」エリアや東口でも駅から数分歩いた住宅街では、凶悪犯罪の発生はほぼゼロに近い水準で推移しています。
実際に現地で暮らす住民への取材でも、印象的な証言が得られました。
「一人暮らしを始める前は『東口はガラが悪い』と聞いて不安でしたが、駅から北口改札を使って山王方面のマンションに帰るルートなら、夜遅くても街灯が明るく非常に平穏です。東口の飲み屋街も、夜中にわざわざ路地裏をうろつかなければトラブルに巻き込まれることなどまずありません」(大森駅在住4年目・30代女性会社員の手記より)
つまり、「大森駅=治安が悪い」というのは明らかな誤解であり、正しくは「東口の駅前歓楽街を避ければ、女性の一人暮らしやファミリー層でも安心して暮らせる治安環境が整っている」というのが現場の真実です。