園芸店で最も混同されやすいのが、「テッセン」「クレマチス」「カザグルマ」の3者関係です。日常会話ではクレマチス属の植物全般を大雑把に「テッセン」と呼んでしまう慣習が昭和期から続いていますが、植物学上および園芸分類上、これらは全く同一ではありません。
正確には、キンポウゲ科センニンソウ属(学名:Clematis)に属する野生種および園芸品種の総称が「クレマチス」です。そして「テッセン(Clematis florida)」は、中国原産の特定の一原種を指す固有名詞に過ぎません。さらに日本には、山野に自生する貴重な固有種「カザグルマ(Clematis patens)」が存在し、これが西洋に渡って現代の大輪系クレマチスの交配親となりました。
私たちが花びらとして鑑賞している部分は、植物学的には「花弁」ではなく萼(がく)が変化した「萼片(がくへん)」です。散歩道や園芸店で遭遇した際、「萼片が6枚ならテッセン」「8枚ならカザグルマの血統」とカウントするだけで、大半の識別が可能になります。