江戸時代の枕はなぜ高い?箱枕の驚くべき構造と現代医学が明かした危険性

江戸時代の枕はなぜ高い?箱枕の驚くべき構造と現代医学が明かした危険性

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江戸時代に使われていた枕は、すべてが箱枕だったわけではありません。身分や性別、季節、そして財力に応じて多様なバリエーションが存在しました。当時の寝具文化の全体像を把握するために、代表的な枕の種類と特徴を一覧で整理します。

枕の種類構造・素材・特徴主な使用者層編集部の見解・実用性評価箱枕(あづち枕)桐や漆塗りの木箱の上に布巻きの小枕を設置。高さ15〜18cm前後。町人の女性、遊女、身だしなみを重んじる武士髪型維持に特化。引き出し付きが多く機能的だが頸椎への負担は最大級。くくり枕(括り枕)布の両端を巾着のように紐で絞り、中に蕎麦殻や籾殻、綿を詰めた枕。一般庶民、子ども、髪を解いて寝る日の町人現代のクッション枕に近く、柔らかさと通気性を両立。最も安眠できた選択肢。陶器枕(陶枕)陶磁器で作られた中空の枕。青磁や染付の装飾が施される。富裕層、商人、夏の暑さを嫌う風流人頭部の熱を奪う「頭寒足熱」の夏用寝具。硬さはあるがひんやりした冷感は抜群。木枕(角枕)角材を削り出して首に沿うよう中央を窪ませたシンプルな木製枕。武士階級、質素を旨とする庶民急な夜討ちや出陣にも即座に飛び起きられる覚醒優先の硬派仕様。

特にくくり枕の特徴は、形状を自由に調節できる柔軟性にありました。両端の紐をきつく縛れば高く硬い枕になり、緩めれば平らで低くなります。結髪のサイクルに合わせて使い分ける庶民の生活知恵が詰まった逸品でした。

一方の陶器枕は江戸時代の夏の風物詩でもあり、中国の宋や明から伝わった陶枕文化が日本風にアレンジされたものです。中が空洞になっているため熱がこもらず、首筋に触れる冷涼感はクーラーのない高温多湿の日本の夏を乗り切るための贅沢品でした。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。