ネット上の情報には、額面の数字だけを誇張した誤解が散見されます。キャリア選択で後悔しないために把握しておくべき盲点は以下の3点です。
第一に、「額面年収」と「手取り額」の乖離です。日本の累進課税制度において、年収1000万円の手取りは約700万〜730万円程度、年収1500万円でも約1000万円前後となります。税率の上昇や各種控除(児童手当の所得制限など)を考慮すると、額面の伸びほど生活水準が跳ね上がるわけではありません。
第二に、「ベース給」と「インセンティブ」の内訳リスクです。年収1200万円と謳われていても、基本給が月30万円で残りが変動賞与の場合、不況や業績不振の年に年収が500万円台まで半減するリスクを孕んでいます。
第三に、資格取得=高年収という錯覚です。弁護士や公認会計士であっても、単に資格を持っているだけで自動的に稼げる時代は終わり、顧客獲得スキルやITリテラシー、特定の専門領域(クロスボーダーM&Aや知財戦略など)との掛け合わせがなければ高年収は維持できません。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
労働経済学およびキャリア形成の観点から導き出される、高年収職業に挑むべき適性判断基準は以下の通りです。
- 高年収職業への挑戦をおすすめできる人:
- 曖昧な指示の中でも自ら課題を発見し、短期間で結果を出すことにやりがいを感じる人
- 「成果に応じた対価」を明確に求め、シビアな人事評価や競争環境をストレスではなくモチベーションに変換できる人
- 休日の自己投資(資格勉強、最新技術のインプット、英語学習)を継続することが苦にならない人
- 慎重に検討・現状維持を検討すべき人:
- ワークライフバランスを最優先し、終業後は仕事のことを完全に忘れて過ごしたい人
- 減点方式の評価や安定した年功序列賃金を好み、心理的安全性を第一に働く環境を求める人
- 時給換算した際の労働時間増加に耐えられず、心身の健康を崩しやすい体質・気質の人