骨延長の歴史と技術は進化を遂げており、器具の固定方式によって大きく3つの術式に分類されます。2026年現在、安全性と回復期間の短縮を求めて最新の内部固定型デバイスの採用が進む一方、術式によって費用構造が大きく異なります。
1950年代に旧ソ連で開発された「イリザロフ法」は、脚の外側に金属製のリング型フレームを設置し、骨に貫通させたワイヤーで固定・牽引する古典的な術式です。堅牢で確実な骨形成が期待できる一方、長期間にわたり脚の外側に巨大な器具を装着し続ける必要があり、ピン挿入部からの感染症(ピン感染)や精神的苦痛が課題でした。
そのデメリットを軽減するために登場したのが「LON法(Lengthening Over Nail)」です。骨の内部に金属製の髄内釘を挿入した上で外部に創外固定器を取り付け、延長完了後に創外固定器を早期に外すことで、外固定の装着期間を大幅に短縮します。
そして現在、最も侵襲が少なく先進的とされるのが「プリサイス法(PRECICE)」などの完全体内埋め込み型(内固定法)です。骨の髄腔内に電磁モーターを内蔵した特殊なネイルを挿入し、体外からリモコン操作で磁気を与えてミリ単位で骨を伸ばします。外部に器具が出ないため感染リスクが格段に低く、日常生活への復帰がスムーズですが、デバイス自体が極めて高額です。