国内外のメディアで頻繁に話題となるのが、スキー場周辺における飲食費や宿泊費のプレミアム価格です。「ランチで数千円が当たり前」「短期バイトの時給が跳ね上がっている」という現地の様子は、誇張ではなく紛れもない事実といえます。冬期のリゾートエリア(主に倶知安町比羅夫地区からニセコ町アンヌプリ・東山地区にかけて)では、海外の主要リゾート相場(アスペンやツェルマットなど)に準じた価格設定が定着しています。
ニセコの物価が高い真相の根底にあるのは、訪日外国人富裕層の購買力と、サービス現場における深刻な人手不足です。冬の繁忙期には、北海道ニセコ町のバイト時給が高騰し、英語対応が可能なスタッフには時給2,000円〜2,500円以上が提示されるケースも珍しくありません。この人件費の上昇分が飲食・宿泊サービスの単価へダイレクトに転嫁されています。
一方で見落とされがちなのが、エリアによる「経済の二重構造」です。観光客が集中するゲレンデ直下と、地元住民が暮らす町民生活圏(JRニセコ駅周辺や本通地区)では物価体系が異なります。町営施設や地元商店、日常使いのスーパー等では一般的な道内相場が維持されており、すべての生活物価が一律に高騰しているわけではありません。
また、ニセコの地価高騰の理由として、国土交通省の公示地価でも全国上位を記録し続けた背景には、国内外のデベロッパーによる激しい用地取得競争があります。コンドミニアムやプライベートヴィラの開発用地は限られており、希少性の高いロケーションに対して世界規模の資本が投入され続けていることが、価格を押し上げる主因となっています。