中規模以上のマンションや商業施設付き複合ビルには、建物全体を集中管理する「自動火災報知設備(自火報)」が導入されています。共用廊下の非常ベルや各フロアのスピーカーから鳴り響く大音量を止めるには、エントランスや管理室に備え付けられている「火災受信機」での操作が必要です。
管理会社や消防設備点検員が不在の夜間、管理権限を持つ理事長や当番の居住者が現場対応せざるを得ない場合は、以下の手順に沿って慎重に対応します。
1. 受信機の警戒区域表示灯を確認する
受信機正面の小扉を開けると、どの階・どのエリア(警戒区域)の感知器が反応したかを示す地区表示灯が赤く点灯しています。まずその発報場所へ向かい、実際の火災がないかを必ず肉眼で確認します。
2. 受信機の「主音響停止」と「地区音響停止」を押す
誤作動と判明した場合、受信機本体から鳴る電子ブザーを止めるため【主音響停止】ボタンを押します。続いて、各フロアや共用部で鳴り響く非常ベルを止めるため【地区音響停止】(または【地区音響一時停止】)ボタンを押します。これで建物全体のベル音は一時的に止まります。
3. 火災報知器の復旧ボタンが戻らない・再び鳴り出すトラブルの要因
ベルを停止させた後、受信機の【復旧】ボタンを押してもランプが消えず「カチッ」と戻らない、あるいは数秒後に再びベルが鳴り出す現象がよく見られます。これは、現地天井の感知器内部に湿気やホコリ、煙が滞留したままになっているか、感知器回路がショート(短絡)して発報信号を送り続けていることが原因です。現地の空気を入れ換えるか、それでも解消しない場合は【地区音響停止】を入れた状態を維持し、早急に保守点検会社を手配してください。