放送から年月が経つ中で、一部のネット言説やSNSの表層的な切り抜きでは「修二に振り回された悲劇のヒロイン」「都合のいい彼女にすぎなかったのでは」という見解が散見されることがあります。しかし、物語の緻密な文脈を検証すると、この解釈が大きな誤解であることが分かります。
ここであらためて野ブタをプロデュースの結末とネタバレを含む真理子の選択を振り返ると、彼女の行動原理は常に「自己決定」に基づいていたことが明らかです。修二の嘘が暴かれ、彼がいじめの標的になった際、真理子は盲目的に修二を庇い立てするのではなく、修二自身が自らの弱さと向き合う時間を見守る姿勢を取りました。
修二が父親の転勤で転校することになった最終回、二人は恋人同士としての関係を解消します。しかしそれは「捨てられた」のでも「諦めた」のでもありません。修二がペルソナを脱ぎ捨てて自分自身を取り戻したことを誰よりも理解し、友人として、一人の人間として彼を送り出す決断を下したのです。真理子は決して受動的な被害者ではなく、ドラマの中で最も精神的に自立したキャラクターとして描かれていました。