映画の魅力は主役トリオだけにとどまりません。ニモが捕らえられたシドニーの歯科医院の水槽に暮らす「タンク・ギャング」や、外海で出会う驚異の海洋生物たち、そして続編『ファインディング・ドリー』の新顔たちが物語を重層的に彩ります。
水槽のカリスマ「ギル」と仲間たち(タンク・ギャング)
歯科医の水槽内で唯一「海で生まれ育った経験」を持つのが、ツノダシのギルです。体に大きな傷痕を持ち、かつて脱出を試みて失敗した過去を持ちます。ニモの小さなヒレを理由に甘やかすことなく、一人の対等な仲間として扱い、水槽の浄化装置を止める危険なミッションを託します。仲間には、臆病なハリセンボンのブロート、潔癖症のアカシマシラヒゲエビのジャック、ヒトデのピーチなど、飼育環境ならではのコミカルな魚たちが勢揃いしています。
「魚は友達」サメトリオと、名言を残すウミガメ「クラッシュ」
潜水艦の残骸をアジトにするブルース(ホホジロザメ)、アンカー(シュモクザメ)、チャム(アオザメ)の3匹は、「魚は友達、エサじゃない」というスローガンを掲げてベジタリアン(魚食断ち)を目指す自助グループを結成しています。しかし、ドリーの鼻血の匂いを嗅いだ瞬間にブルースの瞳が真っ黒に染まり、捕食本能が暴走するシーンは、海洋世界の残酷なリアリティを象徴する名シークエンスです。
一方、東オーストラリア海流(EAC)で出会うクラッシュは、150歳のアオウミガメ。「お前たち、最高だぜー!」「うぉー!」の掛け合いでおなじみですが、息子のスクワートが激流に放り出されても慌てず見守る姿を通じて、マーリンに「子どもを信じて見守ること」の本質を教えるメンターとして機能しています。
『ファインディング・ドリー』で加わった新キャラクター詳細まとめ
2016年公開の続編では、ドリーの失われた家族を探す舞台として「海洋生物研究所」が登場し、新たな名キャラクターたちが加わりました。
- ハンク(ミズダコ):過去のトラウマから足を1本失い、7本足になったタコ。研究所の安全な水槽で余生を過ごすことを望み、ドリーを利用しようとしますが、やがて強い絆で結ばれます。
- デスティニー(ジンベエザメ):ドリーの幼馴染。極度の近眼で水槽の壁に激突してばかりいる心優しい巨大魚です。
- ベイリー(シロイルカ):頭部のエコロケーション(反響定位)能力に自信を失っていた臆病なイルカ。ドリーたちの危機を救うため能力を開花させます。
- ジェニー&チャーリー(ナンヨウハギ):ドリーの両親。記憶障害を持つ娘が迷子になっても帰ってこられるよう、海底に貝殻を並べ続けて何年も待ち続けていました。