ネット掲示板やSNSでは「お通し=居酒屋の悪習であり全廃すべき」という極端な意見が見受けられます。しかし、飲食店のビジネスモデルという構造的な視点に立つと、単純な善悪二元論では片付けられない実情が見えてきます。
居酒屋はカフェやファストフードと異なり、滞在時間が2〜3時間と長く、水や取り皿、おしぼりなどの無料サービスを多用する業態です。お通し代は、単に小鉢の原価を回収するだけでなく、店舗の水道光熱費・人件費・空間維持費を賄うための実質的なチャージ料としての側面を内包しています。仮にお通しを完全撤廃した場合、店舗側はドリンクや主力料理の価格を1品あたり50円〜100円程度値上げせざるを得ず、トータルの会計総額が変わらないケースも多いのが実態です。
【プロの結論】納得して楽しむ人・慎重になるべき人の判断基準
外食時の満足度を最大化するためには、自身の利用目的や価値観に応じて店舗を使い分ける明確な基準を持つことが重要です。
- お通しシステムに向いている人・店舗:
- 酒と旬の料理をゆったり楽しみたい人(季節感ある本格的な手作り小鉢を出す個人店・割烹居酒屋)。
- 長時間の宴会や会話を楽しみたいグループ(席料として割り切り、長居を前提とするシーン)。
- その日の仕込みや板前の技量を前菜から味わいたいグルメ志向の利用者。
- お通しのある店を避けるべき人・利用シーン:
- お酒を飲まず、短時間の夕食や食事のみを目的に居酒屋へ入る人。
- 1円単位で明朗会計を徹底したいコスパ重視のチョイス(定食屋や「お通しなし」を明言するチェーン店が最適)。
- 食物アレルギーや極端な偏食があり、出された料理を食べられないリスクが高い人。