フジテレビ系で放送されたドラマ『最後から二番目の恋』(2012年1月期)およびその続編『続・最後から二番目の恋』(2014年4月期)は、それまでの恋愛ドラマの文脈を塗り替えた作品でした。脚本を担当した名手・岡田惠和が紡ぎ出したのは、45歳独身のテレビ局ドラマプロデューサー・吉野千明(小泉今日子)と、50歳独身で妻と死別した鎌倉市役所職員・長倉和平(中井貴一)による「大人の青春物語」です。
2人の共演は、映画『陰陽師II』(2003年)やドラマでの単発共演などを経て、本作でひとつの完成形を迎えました。劇中で繰り広げられる千明と和平の長回しによる口喧嘩は、台本通りでありながらアドリブのように自然で、視聴者に「ずっとこの2人の会話を聞いていたい」と思わせる抜群のテンポ感を誇りました。
撮影現場を知る関係者の証言によると、中井貴一と小泉今日子は互いの演技プランを深く理解し合っており、リハーサルの段階から阿吽の呼吸で間合いを調整していたといいます。プライベートでも互いを認め合う仲良しエピソードが数多く報じられており、中井は小泉の潔い生き方を称賛し、小泉は中井の確固たる演技力と座長としての包容力に全幅の信頼を寄せていました。この絶対的な安心感が、スクリーンの端々から漂う心地よい空気感の源泉脈となっています。