大阪府が推し進めた「授業料完全無償化」政策は、2026年度入試において制度設計の過渡期を終え、受験生の進路選択に構造的な変化をもたらしました。所得制限のない学費支援が全学年に適用されたことで、これまで「経済的理由から公立第一志望」を選択していた中堅〜上位層の受験生が、施設や手厚い補習体制を誇る私立高校へ専願で流れる動きが定番化しています。
大手進学塾の進路指導担当者は次のように現状を分析します。「私立高校の特進コースや大学附属校の専願倍率は高止まりを続けています。一方で、公立高校は『文理学科10校』をはじめとする進学指導重点校に志願者が集中し、中堅・普通科校では定員割れや低倍率が常態化するという極端な二極化が進んでいます」。
2026年の公立高校一般入試における倍率動向を見ると、北野高校や茨木高校、高津高校などでは1.3〜1.5倍前後の高倍率を記録する一方、普通科単独校では1.0倍前後に留まる学校が散見されます。公立の定員割れがニュースで取り沙汰される一方で、最上位の難関公立校の競争率はむしろ激化しており、「公立ならどこでも受かりやすい」という認識は大きな誤りです。