ワッサーというインパクトのある名称から、海外からの外来種ではないかと連想する方も多いですが、実際には純国産、長野県須坂市を発祥とする日本生まれの果実です。
その原点は、1968年に須坂市で果樹園を営んでいた篤農家・中村渡(なかむら わたる)氏の園地に遡ります。園内で隣り合って植えられていた「山根白桃」と「水野ネクタリン」が自然受粉し、その実から採れた種を中村氏が1971年に播種。育った苗木の中から、既存の桃ともネクタリンとも異なる優れた形質を持つ樹が偶然選抜されました。その後、増殖と特性調査が重ねられ、1990年(平成2年)に農林水産省へ品種登録されました。
「ワッサー」という耳に残る名称は、育成者である中村渡氏が幼少期に友人たちから呼ばれていた愛称(ニックネーム)がそのまま命名されたものです。生産者の温もりと土地の記憶が刻まれたこの果実は、須坂市や中野市を中心とする長野県北信地域で大切に栽培が続けられ、今日では夏の信州を代表する特産品として確固たる地位を築いています。