ネット上のレビューやSNSの一部では、「back numberらしい王道の失恋・感動ソング」「結婚式で流せば無条件で泣ける定番曲」といった表層的なラベル付けがされることも少なくありません。しかし、この楽曲の真価をそこに限定してしまうのは極めて惜しい誤解です。
back numberは初期のインディーズ時代からメジャー初期にかけて、『花束』や『高嶺の花子さん』に代表されるような「報われない男の女々しさ」や「切ない後悔」を赤裸々に描くことで絶大な支持を得てきました。しかし、「瞬き」においてバンドは、自意識の殻を破り「自らの痛みを引き受けてでも他者を守る強さ」へと決定的な成熟を遂げています。
歌詞の中盤に現れる「微笑むことも 泣くことも 諦めたような顔をしないで」という一節は、相手の感情が凍りついてしまうほどの絶望に寄り添う眼差しです。ただ「頑張れ」と励ますのではなく、相手の感情の麻痺すら受け止めようとするこの姿勢は、単なる感傷的なバラードではなく、人間の尊厳を称える人生賛歌としての骨太な構造を持っています。