優香さんが単なるグラビアアイドルから国民的人気タレントへと駆け上がった背景には、『志村けんのバカ殿様』や『志村けんのだいじょうぶだぁ』での共演を通じ、徹底的に鍛え上げられたコメディエンヌとしての才能がありました。1999年の深夜番組『Shimura X天国』への抜擢を皮切りに、二人は15年以上にわたって濃密なコントの時間を共有することになります。
二人のコントの相性が群を抜いていた最大の要因は、優香さんが持つ「天性の反射神経」と「屈託のないリアクション」にありました。志村さんのコントは、0.1秒の間(ま)のズレすら許さない厳格な職人芸です。リハーサルを緻密に重ねる志村さんに対し、優香さんは臆することなく全身でぶつかり、変顔や泥臭いオチも一切躊躇せずにやり切る度胸を備えていました。
当時の制作スタッフの手記によると、志村さんは優香さんについて「教えた通りのタイミングで完璧に受けてくれる。何より、コントを楽しんで笑ってくれる顔が最高なんだ」と漏らしていたといいます。大御所芸人の前で萎縮することなく、少女のような無邪気さで笑い転げる優香さんのリアクションは、志村さんのアドリブを極限まで引き出す起爆剤となっていました。