近年、インターネット掲示板やSNS、知恵袋などで「近所で拾った子猫が三毛猫のオスだった。ネットオークションで売却すれば億万長者になれるか」といった投稿が散見されます。しかし、ここには現場の獣医師や保護活動者が頭を抱える「2つの深刻な誤解」が潜んでいます。
第1の誤解は、「外見上の毛色の誤認」です。動物病院の診察室で「三毛猫のオスを見つけた」と持ち込まれる個体のうち、遺伝子検査や専門医の診察を経て真の三毛猫オスと判定されるケースはごく一部にとどまります。多くの場合、黒と茶が細かく混ざり合った「サビ猫(トーティシェル)」の茶色部分が一部薄くなった個体や、キジトラに白と赤茶が混ざった「キジ三毛」、あるいは単に汚れが付着した白黒猫の見間違いです。素人目での判定は極めて難しく、確定診断には獣医師による生殖器の精査や細胞遺伝学的検査が欠かせません。
第2の誤解は、「生体の転売による利益獲得の幻想」です。現在の日本では動物愛護管理法が厳格化されており、正規の第一種動物取扱業の登録を受けない個人が無許可で反復継続して犬猫を高額転売する行為は違法とみなされます。ネットオークションやフリマアプリでも生体出品は全面禁止されています。
実際の保護猫シェルターや譲渡会の現場では、幸運にも三毛猫のオスが保護された場合でも、プレミアム価格を上乗せすることなく、通常の保護猫と同じ基準で終生飼養を誓う里親を探すのが標準的な運用です。法外な価格で売り捌こうとする行為は、業界関係者や愛護コミュニティから激しい非難の対象となります。