志村けん芸者コントの誕生秘話|柄本明との神回とお座敷の真実

志村けん芸者コントの誕生秘話|柄本明との神回とお座敷の真実

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ファンのあいだで今も「神回」として語り草になっているのが、ふたりがただ湯呑みを手に取り、静かにお茶をすする志村けん 芸者 お茶 コントです。テレビの前の視聴者を釘付けにしたのは、徹底して無駄を削ぎ落としたミニマリズムの笑いでした。

正座したふたりの芸者が、湯呑みに口を近づけ、「ずずず……」と音を立ててお茶をすする。それだけの動作のなかに、何秒間もの完全な無言の時間が流れます。柄本明さんがふと志村さんを見つめ、志村さんが視線を返す。どちらからともなく小さく吹き出しそうになり、必死にこらえる表情のグラデーションが映し出されます。

コント内で交わされるセリフは、決して奇抜なものではありません。「あんた、あれかい?」「そうだよ」「ふーん……」といった、言葉足らずで日常的、どこか下町情緒を感じさせるやり取りが延々と続きます。志村けん 芸者コント セリフの真髄は、言葉そのものの面白さではなく、発せられるタイミングとトーンの絶妙さにありました。台本に詳細なセリフが書き込まれていたわけではなく、大枠の流れだけを決めたうえでの即興劇であったことは、柄本明さん自身も後年の追悼インタビューで述懐しています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。