土田晃之を語る上で欠かせないのが、1990年代に活動していたお笑いコンビ U-turnの存在です。専門学校(東京アナウンス学院)で出会った対馬盛浩(つしまもりひろ)と1991年に結成したU-turnは、卓越したコント構成力とシュールなボケ・ツッコミで人気を博し、『ボキャブラ天国』ブームに乗って瞬く間に全国区となりました。しかし、ブームの終息とともにコンビ関係は冷え込み、2001年に正式解散を迎えます。
解散の決定的な理由は、芸人という不安定な職業に対する価値観の乖離でした。自著や当時のインタビューで土田本人が明かしている通り、相方の対馬は将来への不安から芸能界引退を強く望んでおり、最終的に対馬は芸能界を完全に去って一般企業のサラリーマンへと転職しました。一方の土田はすでに妻と子供を養う立場にあり、「自分にはお笑いしか残されていない」という背水の陣でピン芸人としての道を歩み始めます。
なお、ネット上で頻繁に見受けられる「元相方 平井邦明」という検索フレーズについては、明らかな事実誤認およびネット上の情報混同が原因です。公式のU-turn結成メンバーは土田晃之と対馬盛浩の2人であり、平井邦明なる人物が公式な相方として活動した記録はありません。かつてアマチュア時代に組んでいた短期的なユニットや別のお笑いコンビの元メンバー情報、あるいは知人エピソードがネット掲示板等で歪曲されてサジェストに定着したと推測されます。事実としての「元相方」は、一般社会へと身を引いた対馬盛浩ただ一人です。