「なぜ良質な番組をタダで提供できるのか」という疑問の答えは、テレビ放送の歴史と運営組織の成り立ちにあります。TVerは有志が立ち上げた非公式ツールではなく、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビの在京民放キー局5社が共同出資して誕生した、由緒正しきTVer民放公式テレビ配信サービスです。
ビジネスモデルの根底にあるのは、地上波放送と全く同じTVer広告収入の仕組みです。視聴者は番組の再生前、本編の途中、そして終了時に数十秒の動画広告(CM)を視聴します。この広告枠を民間企業へ販売することで莫大なスポンサー料を得ており、それがサーバー維持費や番組の制作・配信権利料に充当されています。これがTVer完全無料の理由です。
マーケティングの専門用語では、NetflixやDisney+のような定額課金型を「SVOD(Subscription Video on Demand)」と呼ぶのに対し、TVerが採用しているのは「AVOD(Advertising Video on Demand=広告付き無料動画配信)」と呼ばれます。運営企業である株式会社TVerの発表データによると、月間アクティブユーザー数(MAU)は4,000万人規模へと成長を遂げており、良質な広告プラットフォームとしての収益基盤が強固に確立されています。ユーザーから直接利用料を徴収する必要性自体が存在しないのです。