この歴史的一戦において、最大のターニングポイントとなったのが試合開始直後の「第4オーバー」でした。
わずか3得点だったファハル・ザマンは、インドのスピードスター、ジャスプリット・ブムラーのアウトスイングにバットを出し、ウィケットキーパーのMSドーニにキャッチされました。誰もがインドの先制を確信した瞬間、審判団が宣告したのはブムラーのフロントフット・ノーボールでした。
この九死に一生を得たワンプレーを機に、ザマンのバットが猛威を振るいます。インドが誇る二大スピナー、ラヴィチャンドラン・アシュウィンとラヴィンドラ・ジャデジャに対し、力強いスイープと正確無比なロフテッドショットを連発。プレッシャーのかかる大舞台でODIキャリア初となる114得点のセンチュリー(100得点以上)を叩き出しました。一つの反則が勝負の流れを180度変えてしまったこの場面は、現在もクリケットの国際大会史に残る屈指のハイライトとして語り継がれています。