ネット上で頻繁に検索される「フランス代表のファッションはなぜここまで過熱したのか」という疑問。その真相を紐解くと、単なる派手好きという言葉では片付けられない、フランスという国家の歴史的背景と現代のユースカルチャーが交錯する3つの明確な要因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、パリ郊外(バンリュー)が育んだ「ストリートカルチャーとオートクチュールの融合」です。現在のフランス代表を支える多くのタレントは、移民ルーツを持つ多文化的なバックグラウンドを有しています。彼らにとってファッションは、郊外のストリートで培ったヒップホップ的な自己主張と、パリという世界最高峰のモード都市が持つ美意識を衝突させ、自らのルーツと成功を証明する強烈なアイデンティティの表出手段なのです。
第2に、デジタルネイティブ世代である彼らの「徹底したパーソナルブランディング意識」が挙げられます。ピッチ上でのパフォーマンスが第一であることは言うまでもありませんが、キャリアの寿命が限られるプロサッカー選手にとって、SNSを通じたアイコン化は引退後をも見据えた巨大なビジネス資産となります。自らのスタイリングを通じてグローバルなカルチャーアイコンとしての地位を確立することは、メガブランドとのスポンサーシップ獲得に直結する合理的な戦略でもあります。
そして第3の要因が、選手同士の健全なライバル意識と遊び心です。リヴァプール所属のイブラヒマ・コナテの私服がまさにその好例でしょう。顔全体を完全に覆い隠すジップアップ仕様のフードや、ドラマチックなロングマントを翻して現れ、メディアの度肝を抜いたシーンは記憶に新しいところです。コナテ自身も取材に対して「クンデがいつも目立っているから、彼に対抗してやろうと思ってね」と笑顔で語っており、過酷なトップレベルの重圧を共有する仲間同士の、ユーモアを交えたハイレベルな競演という側面も見逃せません。