ネット上の掲示板や知恵袋などで定期的に再燃するのが、「昔のレギュラー出演者たちが一斉に消えたのはなぜか?」「制作陣やさまぁ〜ずとの不仲で降板させられたのではないか?」という疑惑です。初期の『Qさま!!』を支えたアンタッチャブル(山崎弘也・柴田英嗣)や青木さやか、さらには準レギュラー格だったバナナマンらの名前が今でも挙がります。
しかし、当時の番組制作資料やテレビ誌のインタビュー記録を丹念に洗い直すと、不仲説やトラブルといった俗説は事実無根であることが分かります。降板・フェードアウトの最大の理由は、番組フォーマットそのもののドラスティックな路線転換(ピボット)にありました。
2004年の深夜枠スタート当初、番組の正式名称は『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』であり、「クイズを出題する側(プレゼンター)が体を張って検証する」バラエティでした。「10メートル高飛び込み」「激辛料理完食」「無人島サバイバル」「解散ドッキリ」など、アンタッチャブルや青木さやかが過酷なロケでリアクションを取ることこそが番組の神髄だったのです。
転機となったのは2006年から2007年にかけて導入された「プレッシャーSTUDY」の大ヒットでした。お笑い芸人たちが真剣に漢字や計算問題に挑み、間違えれば連帯責任で全員が落第するという緊迫感が世帯視聴率20%近い数値を叩き出したのです。コンプライアンス意識の高まりとともに過激ロケが難しくなった時代背景も重なり、制作陣は「過酷ロケバラエティ」から「教養・学力クイズ特化番組」への完全な舵切りを決断しました。
この結果、ロケ芸人としての瞬発力を強みとしていたタレントから、高学歴インテリ芸能人や文化人へのキャスティング最適化が自然に進みました。柴田英嗣の一時的な休養や、各タレントの別番組MC進出といったスケジュールの都合も重なり、トラブルではなく「番組の進化に伴う必然の世代交代・役割終了」が真相だったと言えます。