仕立てを行わない巾着袋やブックカバー、衣類への直刺繍では、裏面に「接着芯」を貼ることで裏側の糸を保護し、肌触りを滑らかに整えるのが定石です。
接着芯を選ぶ際は、生地の風合いを損なわない極薄手〜薄手の不織布・完全樹脂タイプを選びます。刺繍が完成した後、霧吹きで湿らせてからあて布をし、アイロンを上から体重をかけて10〜15秒ほど押し当てます。滑らせるようにアイロンを動かすと、裏の刺繍糸が倒れて表地の形が崩れるため、必ず「プレス」の動作を徹底してください。
さらに、近年愛用者が増えているミシン刺繍の裏側処理では、自動糸切りによって裏面に細かく残る渡り糸(ジャンプステッチ)のトリミングがポイントです。自動処理された糸端が1cm以上残っている場合は、ピンセットで軽く持ち上げながら専用の曲がり刃ハサミでミリ単位まで短くカットします。その後、水溶性スタビライザー(水で溶ける安定紙)をしっかり洗い流すことで、裏側のごわつきを完全に排除できます。