業績の急回復に伴い、新卒採用市場および中途採用市場におけるサンリオの熱気は過去最高レベルに達しています。しかし、憧れだけで門を叩くには、実態としての就職難易度と組織カルチャーの変化を冷静に理解しておく必要があります。
就職難易度に関しては、採用倍率が数百倍に達することも珍しくなく、エンタメ・消費財業界において最難関グループの一角に位置付けられます。従来の「キャラクターが好き」「ファンシーグッズが好き」という熱意だけで採用される時代は完全に終焉しました。現在の採用現場では、グローバルビジネスを牽引できる語学力・交渉力、データを分析して新たなIP価値を設計できる論理的思考力、そしてライセンシー企業と対峙できるビジネスプロデュース能力が厳格に求められています。
一方、待遇面における年収や社内の評判はどうでしょうか。かつてのサンリオは「福利厚生は手厚いが、平均年収は業界水準と比べて穏やか(600万円台前後)」という評価が一般的でした。しかし、直近の業績連動賞与の大幅な引き上げや給与ベースアップにより、実質的な年収水準は急速に改善。若手や中堅層の間でも成果に応じたインセンティブが反映されやすくなっています。
大手企業口コミサイト(OpenWork等)に寄せられた現役社員・OBOGの証言を精査すると、次のような社内のリアルが浮き彫りになります。
「辻社長就任後、意思決定のスピードが劇的に速くなった。以前の年功序列的な雰囲気から、若手でも合理的な提案であればグローバル案件を任せてもらえる環境に変わった」(企画職・30代前半男性)
「理念である『みんななかよく』を大切にする温かさは残っているが、目標数字に対するコミットメント要求は数段シビアになった。単なるファンシー企業ではなく、利益を稼ぎ出すプロ集団としての自覚が求められる」(営業職・20代後半女性)
社風はかつての「古き良きアットホームな老舗企業」から、アグレッシブな「グローバルIPマーケティングファーム」へと変貌を遂げており、キャリア形成を考える上ではこのギャップを正確に認識しておくことが不可欠です。