メディアではしばしば「謎の深海魚」としてセンセーショナルに紹介されますが、これは半分正しく、半分は誤解を含んでいます。
学術上の生息水深データを見ると、レッドリップバットフィッシュは水深3mから76m程度の砂底に多く分布しています。つまり、光が一切届かない数百メートル以上の超深海にしかいないわけではなく、一般的なスキューバダイビング(オープンウォーター〜アドバンスド)の潜水可能水深で遭遇できる生物です。
ガラパゴス諸島の北部に位置するダーウィン島やウルフ島、あるいはイサベラ島周辺の特定ダイブサイトでは、ダイバーが砂地に鎮座する個体を発見し、至近距離から観察・撮影した記録が報告されています。逃げ足が遅く、海底に張り付いてじっとしている性質があるため、見つけさえすればじっくりとシャッターチャンスを狙える被写体として現地ガイドの間でも重宝されています。
【プロの結論】奇妙な生態観察ツアーに向いている人・慎重になるべき人の判断基準
「どうしても実物の歩く姿を見てみたい」と現地渡航を検討するネイチャーファンに向けて、プロの視点から向き不向きの判断基準を提示します。
【現地観察をおすすめできる人】
- アドバンスド以上のダイビングライセンスと、強い潮流(ドリフトダイブ)に対応できる十分な潜水スキルを持つ人
- ガラパゴス諸島のクルーズツアーに参加し、現地の特殊な海洋ルールと自然保護規範を厳格に遵守できる人
- 固有種の進化の歴史や、生息環境そのものをリスペクトして観察を楽しめる人
【計画を慎重に見直すべき人】
- 「水族館感覚で手軽にガラス越しで見たい」と考えている人(国内施設での展示予定はありません)
- 初心者レベルのダイビング経験しかなく、急深なポイントや冷水塊(冷たい湧昇流)への耐性がない人
- 観賞魚ショップ等での生体購入や個人飼育を期待している人(商業流通は一切ありません)