結論から言えば、日本テレビや系列局の公式ライブラリ、当時の放送年鑑、あるいは公的なBPO(放送倫理・番組向上機構)の前身組織などの記録において、「生中継中に水死体が映り込んだ」という事実を裏付ける一次資料は確認されていません。
では、なぜこれほど具体的かつ広範囲に噂が広まったのでしょうか。綿密な検証から、以下の3つの要素が複雑に絡み合ってひとつのストーリーに昇華されたと考えられます。
第一に、「中継直前に不審物を発見し、急遽別のアングルに切り替えた」という現場の回避劇が、視聴者の間で誇張されて伝わった可能性です。水辺からの中継が多い番組であったため、リハーサル時や本番直前に水難事故の現場に遭遇し、放送では映さないようカメラを逸らしたという事例はテレビ業界内で実際にいくつか語られています。
第二に、他局のニュース番組や別番組で起きた水難中継の記憶との混同です。昭和から平成にかけては、水難捜索活動の生中継で遺体の収容作業が遠目に映ってしまった事例がニュース番組等でごく稀に発生しており、それらの生々しい記憶が、最も知名度の高かった『ズームイン!!朝!』の看板と結びついてしまったと見られています。