今村容疑者ら幹部陣の犯行形態を語る上で欠かせないのが、フィリピン入国管理局が管理するビクレタン収容所の存在です。不法滞在などで拘束された外国人を収容する施設でありながら、所内にはびこる深刻な汚職構造により、幹部らは職員に多額の賄賂を渡して自由を買い取っていました。
現地特派員の取材や強制送還時の記録によると、彼らが滞在していた部屋はエアコンや専用Wi-Fiが完備された「VIPルーム」化しており、複数のスマートフォンやパソコンを所持。この閉鎖空間から秘匿性の高い通信アプリ「Telegram(テレグラム)」を使い、日本国内で集めた闇バイトの実行役に対してリアルタイムで犯行手順を指示していました。これが、警察当局が追尾した「ルフィ」「キム」「ミツハシ」といった偽名ネットワークの正体です。
2023年1月に発生した東京都狛江市の狛江強盗致死事件をはじめとする一連の凶悪事件を受けて、日本警察はフィリピン当局へ強力な引き渡し要請を展開。2023年2月、今村容疑者を含む幹部4人はフィリピン強制送還の措置を受け、日本へ向かう航空機内で逮捕されました。