鬼太郎を語る上で欠かせない根本設定が、幽霊族の歴史と起源です。作中における幽霊族とは、死者が化けて出た霊魂ではなく、人類誕生以前の数万年前から地球の覇者として繁栄していた先住民族を指します。彼らは極めて穏やかで心優しい気質を備えており、高度な霊力や自然との調和を保ちながら平和な文明を築いていました。
しかし、後から台頭してきた「人間」がその平穏を無惨に打ち破ります。原始的な武力、強い独占欲、圧倒的な繁殖スピードを持った人類は、地上を支配するために幽霊族への苛烈な侵略と虐殺を開始しました。争いを好まない幽霊族は人間との全面戦争を避け、地上を明け渡して薄暗い森の奥や地下深くへと逃げ延びる道を選びます。これが幽霊族滅亡の理由の端緒です。
太陽の光が届かない劣悪な地下環境に押し込められた幽霊族は、徐々に体力を奪われ、種としての活力を喪失していきました。時代の変遷とともに地上では産業革命や都市開発が進み、地下水脈の汚染や霊的拠点の破壊が進行。かつて栄華を誇った先住種族は、長い年月の間に少しずつ個体数を減らし、昭和の初頭にはわずか数名を残すのみという絶滅寸前の淵に立たされることになったのです。