公道で大音量を響かせる車両の多くは、警察庁が把握する指定右翼団体や、法務省に届け出を出している政治結社が運用しています。右翼団体が街宣活動を行う目的は多岐にわたりますが、基本線は自らの政治的イデオロギー(反共産主義、領土問題の啓発、歴史認識の主張、特定外国への抗議など)を広く社会にアピールすることです。
一方で、過去の昭和から平成期にかけて見られたような「総会屋」や「企業舎弟」に近い組織が、企業の不祥事やスキャンダルを標的にして街宣活動を仕掛け、事実上の賛助金集めや示談金目当てで行っていた悪質な経済活動の側面も否定できません。しかし、近年の暴力団排除条例の厳格化や警察の取り締まり強化により、そうした不透明な活動は著しく淘汰され、現在活動を継続している団体の多くは、主義主張のアピールや関係省庁・大使館・マスコミに対する直接的な抗議行動を前面に出しています。
気になる街宣車の運転手の正体ですが、大半は団体の専従構成員や青年部員、あるいは運動方針に賛同する活動家です。暴力団関係者との二重籍を持つ者がいた時代もありましたが、現在は身元確認が厳格化され、組織内の厳格な規律のもとで運転業務を行っています。彼らは「活動の正当性」を誇示するために乗車しているため、一般市民を無差別に襲撃する意図は基本的に持っていません。しかし、活動を邪魔されたり挑発されたりした場合には、強い攻撃性を示すリスクがあるため警戒を怠ってはなりません。