何品もの作り置きおかずを几帳面に並べる「つくりおきブーム」は過去のものとなった。今の現役世代にそんな余力はない。
主流は、味付けをしない「プレ下ごしらえ」だ。買ってきた野菜をその日のうちに乱切り、短冊切り、小房に分ける作業だけを一気に済ませる。ジッパー付きバッグに小分けしてチルド室や冷凍庫へ放り込む。時間は30分もかからない。
平日夜の選択肢は一気に広がる。ある日は味噌汁の具として鍋に落とし、ある日は豚肉と強火で炒め合わせ、またある日はカレーのベースにする。素材の状態でストックしてあるからこそ、その日の気分で味付けを変えられる。義務感から解放された「下ごしらえの合理化」が、都市生活者の自炊離れを食い止めている。