この事件が日本の司法と社会制度に与えた影響は、あまりにも大きい。当時、14歳という若さで凄惨な殺人を行った少年に対して、刑事責任を問うことができない現行法への不満と激怒が全国で爆発した。それまで「保護と育成」を主眼に置いていた従来の制度は、大きな転換点を迎えることとなる。
凶悪化する少年犯罪に対処するため、国会では法改正の議論が急速に加速した。結果として、厳罰化を求める世論に押される形で歴史的な少年法改正が実現し、刑事罰の対象年齢が従来の「16歳以上」から「14歳以上」へと引き下げられた。さらにその後も、厳罰化と手続きの透明化を図るための改正が度々重ねられることとなった。
一方で、報道ジャーナリズムの現場においても実名・顔写真報道の是非をめぐる自粛と知る権利の相克が激化した。加害者の人権や更生の機会を重視して実名報道を控えるメディアと、事件の残酷さに鑑みて実名掲載に踏み切る独立系メディアの対立は、現在の少年犯罪報道のあり方に直接つながる倫理的課題となっている。