主演の沢口靖子が見せる凛とした気品と圧倒的な存在感、そして現場の叩き上げ捜査員として泥にまみれる内藤剛志の重厚な演技。二人の対話劇は、長年の共演によって研ぎ澄まされた独特の間と揺るぎない信頼感に満ちている。刑事ドラマの歴史においても、これほど互いの役割を補完し合い、物語を立体的に見せるバディ関係は類を見ない。
論理的な科学的根拠を最優先するマリコと、長年の直感と泥臭い聞き込みを信条とする土門。アプローチこそ対極にあるものの、根底に流れる「犠牲者の声なき叫びに耳を澄ませる」という倫理観は完全に一致している。二人が交わす短い視線や、沈黙の中に漂う深い絆。事件が解決を迎えるクライマックスでの二人の佇まいは、観る者の心に深い感動を残す。